世界の話

人工肉(培養肉・代替肉)の歴史|いつから始まったのか

2022年10月24日

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この記事でわかること

  • 人工肉が必要だと予言したのはイギリスの元首相Winston Churchill(ウィンストン・チャーチル)である。
  • 人工肉の開発に大きく関わったのがNASAの宇宙食であった
  • 2013年の人工肉を使ったハンバーガーから世界は動き出した。

1900年代の人工肉の歴史

NASA・ケネディ宇宙センター前のモニュメント

1900年代。人工肉の主な歴史は以下の3つです。

  • 1931年「人工肉の発言はイギリスの首相から始まった?」
  • 1967年「NASAで研究した宇宙食から研究は進む」
  • 1971年「豚の平滑筋組織の培養に成功」

1931年「人工肉の発言はイギリスの首相から始まった?

イギリスの元首相のWinston Churchill(ウィンストン・チャーチル)は将来の食糧危機が起こると予想し人工肉の未来について発言している。

Winston Churchill(ウィンストン・チャーチル)は

「鶏胸や手羽を食べるために鳥一羽を丸ごと育てるという不合理からは脱出するだろう」

超有望!「人工食肉」が世界を救う根本理由

と予言をした。

1967年「NASAで研究した宇宙食から研究は進む」

1967年にNASAが作成した研究資料には、長期の宇宙飛行中に物資が不足する宇宙飛行士にどのように食糧を供給するかについての研究結果が記されていた。

その研究資料に、宇宙飛行士が吐き出す二酸化炭素を微生物と結合させ、食料を生産するというアイデアがあった。

しかし、このアイデアは、火星にいくために研究されたものであり実際には火星に到達することがなかったため、日の目を見ることはなかったのです。

そこで、物理学者のリサ・ダイソン(エアプロテイン)たちが着目し研究を引き継いでいくことになります。

1971年「豚の平滑筋組織の培養に成功」

1971年、アメリカの病理学教授であるRussel Ross(ラッセル・ロス)は、豚の平滑筋組織をシャーレ上で培養することに成功

これは、ブタの平滑筋組織を体外で培養できることを示したもので、大きな成果であった。この発見により、平滑筋組織の機能研究に新たな可能性が開かれたのである。

2000年代の人工肉の歴史

人工培養肉で作ったハンバーガー
人工培養肉で作ったハンバーガー

2000年に入って人工肉の研究は飛躍的に伸びていった。

  • 2000年代はじめには初期研究が進む
  • 2005年「オランダが先導し人工肉の研究を進める」
  • 2013年「世界初の人工肉でできたハンバーガーが登場」

2000年代はじめには初期研究が進む

2000年代に入ると、初期段階の研究が進んでいく。

まず、NASAの資金による研究プロジェクトでは、宇宙活動に必要な食肉を提供する方法を模索することを目的とした研究がスタートした。

次に、芸術研究所「SymbioticA」では、羊やカエルの胎児の細胞を使って筋肉細胞を培養し、少量の食用肉を得ることを試みる研究が始まった。

2005年「オランダが先導し人工肉の研究を進める」

2005年にオランダ政府が主導し、ブタ胚性幹細胞株の分化誘導や電気的・科学的刺激による筋細胞の増殖レベルの向上などの研究が行われた。

その後、スウェーデン、米国、カナダで小規模な研究プロジェクトが実施され基礎研究の応用が始まったとされています。

2013年「世界初の人工肉でできたハンバーガーが登場」

人工肉を使ったハンバーガー
人工肉を使ったハンバーガー

2013年、オランダのマーストリヒト大学のMark Post(マルク・ポスト)教授率いる研究チームは、細胞培養牛肉ハンバーガーを開発。

その後、このハンバーガーはテレビ番組で調理・試食され、世界的に認知されるようになりました。

製造コストが高い(140グラムのパティは25万ユーロ「当時のレートで約3300万円」以上)にもかかわらず、このハンバーガーは成功したといえるでしょう。

この培養肉は世界的に認知されるようになった。

人工肉を使用したハンバーガーからスタートアップ企業が参戦

人工培養肉のハンバーガーの登場からぞくぞくと名乗りをあげる。

近年では、大手企業が日本のベンチャー企業に出資し、培養肉製品の開発をサポートしています。

このような背景から、培養肉がレストランのメニューやスーパーの店頭に並ぶ日も近いのではないでしょうか。

培養フォアグラやステーキも開発

日本では、インテグリカルチャー社培養フォアグラを2022年に発売するなど大幅な進化が続いています。

さらに培養ステーキも開発中であり海外だけではなく日本の企業も次々参入しているのです。

人工肉に関するQ & A

Q & A
  • 人工肉の種類は?
  • 人工肉の原料は?
  • 世界初の培養肉バーガーを開発したのは誰?
  • 人工肉の危険性は?

人工肉の種類は?

人工肉は大きく分けて2種類です。

動物の細胞から作られた培養肉と、大豆などの植物から作られた代替肉である。

人工肉とは

人工肉の原料は?

培養肉は、動物の細胞を採取し、培養液の中で増殖させたものです。細胞は増殖し、筋肉組織の小さな断片を形成します。

代替肉は、大豆などの植物から作られます。大豆を加工してタンパク質を抽出し、このタンパク質を用いて食肉製品を作る。

培養肉のメリット・デメリット

代替肉のメリット・デメリット

世界初の培養肉バーガーを開発したのは誰?

2013年、オランダの科学者Mark Post(マルク・ポスト)教授が、世界初の培養肉バーガーをデビューさせた。このハンバーガーは、ラボで幹細胞から培養した牛肉で作られました。

このハンバーガーには140グラムのパティは25万ユーロ「当時のレートで約3300万円」以上の費用がかかったという。

人工肉の危険性は?

人工肉は天然物ではないので、人間が食べても安全であるという保証はありません。

人工肉が人体に及ぼす影響について長期的な研究が行われていないため、潜在的なリスクは未知数です。

専門家の中には、人工肉がアレルギーやその他の健康障害を引き起こす可能性があると考える人もいます。

まとめ

研究が始まってからまだ数十年しか経っていませんが、すでに大きな成果を上げています。

しかし、まだまだ課題は山積。

研究者が直面している重要な課題のひとつは、人工肉をいかに経済的に成立する形で大量生産するかという問題です。

また、人工肉を人間が食べても安全で、健康に悪影響を与えないようにすることも課題である。

このようなことから、人工肉が消費者に受け入れられるような味や食感を持つようにする必要があります。

今後の食糧危機や環境問題の解決に向けた研究者の取り組みに注目したい。

参考資料「1967年にNASAが作成した研究資料

参考資料「培養肉に関するテクノロジーアセスメント

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